USCPA合格者:實原 享之氏×アビタス代表三輪豊明 対談

USCPA合格者 × アビタス代表 三輪豊明 対談

 対談相手 實原 享之 氏

神戸大学工学部建設学科卒業。一部上場不動産事業会社にて営業と経理を経験後、USCPA(米国公認会計士)試験に合格し、2009年よりIGLOCALに入社。

2010年に、日本人としては4人目となるベトナム公認会計士試験合格。現在、会計・税務・法務アドバイザリー及び会計監査サービスを通じて、ベトナム進出日系企業を支援している。

対談日:2015年4月7日(火)

 

本日はI-GLOCALの實原様にお越しいただきました。
まずI-GLOCALの概要やベトナムでのお仕事についてお聞かせ頂けますか。

 

taidan_1_jitu弊社のスタートは1999年の話になるのですが、弊社創業者の蕪木があずさ監査法人からKPMG(当時はアーサー・アンダーセン)のベトナムに駐在した時から会社の起源が始まっています。

今では考えられないのですが、当時は日系の会計事務所が無く、蕪木が4年間ホーチミンにいて、帰任辞令が出た時、ベトナムにおいてパイオニアでやれるんだったら、という事で2003年に始めたのがI-GLOCALになります。お陰様で現在のところ、12年続いています。

弊社のお客様はほぼ日系企業でして、日系企業がベトナムに進出する前からベトナムでビジネスをやっていくプロセスにおいて、会計税務を中心としたコンプライアンス関係のご支援をしています。

日系企業がベトナムに進出する際の事前調査から始まって、進出するとなったら、会社の設立を支援させて頂き、設立したら会計税務は勿論ですが、人事労務関係のコンサルティングもしています。

それとM&Aもあるので、自分で設立しないで出資しますとか、買収しますというご支援ですね。それと今後増えてくるかと思うのですが、あえなく撤退といった場合のご支援もしています。

現在、ベトナムへの進出日系企業は2,000社位と言われていますが、600社強のお客様をご支援させて頂いています。

どういった業種が多いのでしょうか?

 

taidan_1_jitu業種は私がベトナムへ行った当時は7割くらいが製造業でしたが、今は製造業がちょうど半分くらいで、残りはベトナムでものを作るというよりもベトナム人にものを売っていこうというトレーディングの会社であったり、サービスの会社、それと今、注目されているのはIT企業ですね。

ベトナムには優秀なITエンジニアがたくさんいて、賃金もそれほど高くないですし、国策で優遇税制をあげてベトナムのIT産業を盛り上げようとしているので、IT企業がたくさん進出しています。そうした非製造業が半分ですね。

規模としてはどのような企業が多いのでしょうか。

 

taidan_1_jituお客様の規模としては、皆さんが知っているような大手日系企業もありますし、中堅中小とか、ベンチャー企業もありますので幅広い企業様にご愛顧いただいているといった感じです。

 

ベトナムに行ってもう6年ということですが、實原様ご自身がベトナムに行こうと決めたきっかけは何だったのでしょうか。

 

taidan_1_jituもともと大学は理系で、建築学科にいたのですが、社会人になったら、いつか自分でビジネスを立ち上げて、経営者になりたいという目標がありました。

最初に入社したのは、会計事務所とは関係のない不動産デベロッパーだったのですが、入社して2年しないうちにリーマン・ショックで会社が潰れてしまったんです。

もともと会社を経営したいという目標があったのですが、日本で起業してもなかなか競争も激しいので、成功確率も低いかなと思ったのと、かと言って中国に今更行っても、既に先人の方がたくさん進出していたので、日本人の強みを活かしてかつ、これからのマーケットでということで、ベトナムが今後の成長の度合いとか、潜在的なパワー、それと自分の肌感覚に合うなというところで前々からベトナムに行きたいと思っていました。

会社が倒産して、ベトナムに行こうかという時に何も武器がなくてベトナムへ行けるわけないと思ったのと将来的に経営者になるのであれば会計を知らないのは問題だなと思って、アビタスさんにお世話になることにしました。

USCPAを勉強すれば、会計税務の知識が付きますし、英語が全然出来なかったので、強制的に英語力も付くということでUSCPAに合格してベトナムに行こうと思いました。

USCPAを勉強しようと決めた時には、特に会計や経理の経験はお持ちではなかったのですか。

 

taidan_1_jitu厳密に言うと半年ほどは経理部にいました。

ある程度、会社を辞める、もしくは、もしかしたら会社が倒産しそうだということがわかっていたので、どうせ辞めるならば、少しでも経験したいということで、異動願を出したんです。

半年間、経理にいただけなので、簿記もなければ会計士の資格もないですし、会計税務については殆ど知識がない状況でした。

アビタスでUSCPAを学習する方の中で会計バックグラウンドをお持ちでない方のほうがむしろ多いくらいですが、實原様がそうした経験・知識がない中で勉強していて苦労したことはどんなことでしたか?

 

taidan_1_jitu自分に会計の知識が無いことは実は最初、非常に不安だったのですが、実際にテキストで勉強してビデオで受講していくプロセスの中では殆ど苦にならなかったですね。テキスト自体が一から学習する人向けにロジカルでわかりやすく出来ていますし、英語は難しいようで専門用語さえ抑えてしまって、受験するだけであればそれほど難しいものではなかったです。

 

勉強期間はどのくらいでしたか?

 

taidan_1_jitu

私は前職が倒産してしまったというのもあり、短期で合格しなければならなかったので、アビタスのパンフレットにあったガイドライン通り1,000時間をちょうど5ヶ月の期間で合格しました。

 

合格後、今のI-GLOCALに転職して、それからすぐにベトナムに赴任されたのですか。

 

taidan_1_jitu2009年がある意味、私の人生のターニング・ポイントだったのですが、2009年の年初に会社を辞めて、アビタスでCPAの学習をスタートし、5ヶ月間で合格した後、アビタスのキャリアセンターに「ベトナムに行ける会社」ということでお願いをし、始めて面接したのが、今の会社でした。

最初は東京事務所だったのですが、すぐにでもベトナムへ行きたかったので東京は2ヶ月だけでベトナムに赴任をしました。したがって、全ての出来事が2009年に起こった感じですね。

ベトナムにおいてうまく行っている日系企業とそうでない企業の違いや特徴はありますか?

 

taidan_1_jitu15-20年前だと日系企業が少なくて、日本とのクオリティーの差があって、余程でなければ日系企業が進出してきて失敗をするって事は無かったと思うのですが、今は思いつくような業種の会社は殆どベトナムに進出しているので、非常に競争が激しいんですよね。

私たちも幅広いお客様とお付き合いをしていて、数字を見ているのできっぱり勝ち組と負け組に分かれるんです。職業柄、その違いについて共通点を個人的に研究したりしているのですが、いつもお客様には3つの条件を揃えてくださいと伝えているんですね。

一つ目がエースを送り込むということです。何を当たり前なことを言っているんだって話なんですけども、これってなかなか難しいんですよね。エースというのは重役を送り込むということではなく、20代でも良いので本当に仕事が出来る方、そして会社の中でも影響力のある方を送り込む事をお勧めしています。

人を採用するにしても、日本で誰も知らない中堅中小企業で東大生を採用するって難しいと思うんですが、ベトナムだと現地の社長さんがある程度、魅力的だと人材採用からしてもチャンスがあるんですね。

一流の人が採用できますよね。

 

taidan_1_jituコレは人材採用だけではなく、営業的な部分とか、ビジネスパートナーを探すという意味でも会社の看板は勿論、その現地のトップの魅力というのはかなり大きなファクターになると思うんです。

なので、やはり「エースを送り込んで下さい」という話になるんですね。

ただよく「うちにはエースがいないんです」と言われるんですよ(笑)そうなると「貴方が行けますか」という話になってくるんですね。「貴方が息子さん等に会社を任せて自分自身で来られますか」または「将来社長にしたい息子さんをベトナムに送り込むことは出来ますか」という話です。

それとエースはいるけどもその人が本社の稼ぎ頭でその人をベトナムに行かせてまで、となると厳しいということですとベトナム進出は難しいのでは、、という話になりますね。

二つ目は権限を移譲するということですね。せっかくエース級を送り込んでも全部本社の社長が決めていたり、その人の上司にお伺いを立てて、さらにその上に、、ということになると機能しないんですよ。

特に人事権に関しては、現場に権限を移譲されていないとかなり問題があるんです。

Aさん、Bさんがいて、ふたりとも新卒で採用して例えば月4万円の給料だとしますよね、一年後の人事評価の時にこのAさんは倍の8万円にしたい、だけどBさんに関しては会社にとってさほど重要な人材ではないという判断で据え置きにしたいという意思決定をしようとしても、それを日本の人事部長に合理的に日本の感覚で説明しようとすると無理なんですね。それは日本だとあり得ないので。

そこを現場の判断でズバッと決められないと結局、倍にしたかったAさんは30%アップ、据え置きにしたかったBさんは15%アップとなり、Aさんは会社去って、Bさんさんがずっと残っていくということになるわけですね。

そうならないためにも権限を移譲出来るかどうかは大きなファクターかと思います。

 

最後のひとつはその人がベトナムを好きか、ですね。

やっぱり日本でも部下は上司を見ていますが、ベトナム人は日本人の上司の事を本当によく見ていますので、その人がある意味、骨を埋める覚悟でベトナムの中に入っていってベトナムの国、ベトナム人、食事なんかもそうですよね。

そうしたベトナムのことを本当に好きになって、「ベトナムでやって行くぞ」という気持ちになれるかどうかというのが最後に大事かなと思います。

實原さんご自身の事ですよね(笑)。

 

taidan_1_jituそうですね。ベトナムが好きというところは負けないかなと思います(笑)。

現地のことを好きになれるかどうかというのは結構、ハードルが低いと思いますね。特にホーチミンは生活もし易いですし、ビジネスもやりやすいですし、関係構築もそうですね。思い切って飛び込んで行けば結果、来て良かったと思う人が殆どだと思います。

以前だと日本の製造業などが中国にまず工場を建てて、その後、賃金が上がってきたので、ベトナムに工場を移すなんてことがあったわけですね。

私が以前、勤務していた会社も深センのずっと奥にあった工場をハノイに移したりという感じで、製造業が安い賃金を求めてベトナムにどんどん進出したという時代もあったと思うのですが、今は為替もこれだけ動いてきていますし、中国には工場進出よりかは国内でモノを売ることを目的として進出してきたのと同じことがベトナムでも起こってきているんでしょうかね。

まさにその通りでこの半年の円安の影響で新規の製造業の進出というのは激減している状況です。一方で去年のイオンの進出をはじめ、ベトナム国内の人にモノを売っていこう、サービスを提供していこうという進出はかなり増えてきていますね。

日本におけるベトナムの存在感は非常に上がってきているように思っていまして、アビタスではグループ会社で日本語学校を経営しているのですが、この4月に入国した留学生を国別で見るとベトナムが中国を抜いて一位になったんですね。

この新宿を歩いていると中国語も聞こえてくるのですが、ベトナム語も本当によく耳にしますね。

taidan_1_jitu三輪さんが仰ったように日本におけるベトナムの存在感って言う事とその一方でベトナム国内における日本の存在感がどんどん大きくなってきていて、ベトナムの若い人も日頃から日本製品であったり、日本企業であったり、街に日本人駐在員がたくさんいるというのを肌に感じているので、日本へ勉強しに行くことによって自分の将来の可能性が広がるんじゃないかとたくさんの人が思ってきているということだと思いますね。

ベトナムで働くということがまだ多くの日本人にとってハードルが高く感じるかもしれませんが、先ほど仰っていた通り、実際に飛び込んでみるとそんなに大変ではないというか、實原さんも三週間ベトナム、日本に一週間のサイクルとおっしゃってましたよね。

 

taidan_1_jituそうですね。だいたいそのような感じで動いていますね。

ベトナムに行っている3週間の間にプノンペンとハノイと行ったり来たりしている状況です。

本当にアジアの中は私が出張に行く時でも国内出張の感覚ですね。

 

そうですね。

 

仕事柄、中国が多くて、毎月中国へ行ってますが、大阪出張と同じ感覚ですね。コスト的にも余り変わらないですし。

そういう意味ではアジアの中というのはひとつの経済圏になってきているのでそういう感覚でビジネスをしていくという時代になっている気がします。

私もベトナムへ飛び込む前というのは5回くらい旅行で行っていたので何となくイメージはついていたのですが、それでも不安は大きかったです。

特に語学の面とか専門知識の面でも不安が大きかったですが、行ってみたら、自分の持っていた不安というのはいかに不必要だったかというを実感しました。特にUSCPAを取得することによって必要最低限の専門知識と英語力というのは勝手に身に付いてしまっているので、ベトナムに行くとそれがだんだんと実務に活かされていきますね。

語学の面では、ベトナム人もカンボジア人も日本と同じくらいの英語力ですからなんとかなるんですよ。

普段のベトナム人とのコミュニケーションは英語でされているんですか?

 

対お客様と対社内の人間に分けて説明すると、まず対お客様に感しては、進出日系企業が99%で、私が接するのは現地の駐在員や社長さんで殆どが日本人なんですね。したがって、当然、日本語でということになります。

社内に関しては、我々は会計税務部門とそれ以外の進出支援とか投資コンサルティングとか、人事労務関係などの部門に分かれていまして、前者のスタッフは英語しかできないので、その方たちと話すときは英語でコミュニケーションします。

後者の会計税務以外の部門は日本語もビジネスレベルで出来る人しか採用していないので、日本語でコミュニケーションしていますね。

全体の割合で言うと英語のコミュニケーションは1日の中で1-2割程度です。

ビジネス上、ベトナム語が無いと困るなというシチュエーションに関しては、私の場合はゼロですね。6年ベトナムにいるのですが、お恥ずかしい話、ベトナム語は殆ど出来ないですよ(笑)

名刺には「ベトナム公認会計士」と書いてあるので、「さぞベトナム語が堪能なんですよね」とお客様から聞かれるのですが、毎回、「実は出来ないんですよ」とお答えするんです。そうするとこれから進出しようとしている方たちは安心しますね(笑)。

「ベトナム公認会計士」という言葉が出ましたけども、それはUSCPAを活かして相互承認というような形で取られたのですか?

 

私は2011年にベトナム公認会計士を取得したのですが、当時は先進国のCPAを持っている人は普通の受験者とは別の部屋で英語で試験を受験出来まして、その制度を利用して取得しました。

その制度も2年位前に終了してしまったので、今は外国人がベトナム公認会計士を取得するのは難しいと思うのですが、私は幸いにしてそのタイミングで取れたんです。

ベトナムの周辺国の会計士資格との相互承認が出来る仕組みというのはありますか?

 

カンボジアについては先進国のCPAがあれば、以前のベトナムのように相互承認のような形でカンボジアのCPAも取得できる制度があります。

 

USCPAを持っていれば、取得が可能ということですね。

 

そうですね。私も今、申請中で審査待ちの状況です。

 

ベトナムの会計基準というのはIFRSもしくはUSGAAPに近いのでしょうか?

 

一番近いのはIFRSだと思います。

ベトナム会計基準自体が2000年から2005年という今から10年位前に出来た、出来たばかりの新しい制度です。その当時のIFRSを模倣して作られたようなものなので、当然、IFRSに近いですし、USGAAPにも近いと思います。

会計基準に限らず、ベトナム独自の商習慣というのはありますか?

 

USCPAで勉強したような会計とか税務のアカデミックな内容というのはそのまま活きますね。ロジック的に同じです。ただ税務調査が異様に厳しいです。

役所対応とか、法律の運用面でベトナムならではのものというのはあると思います。
その辺りを進出日系企業の皆さんに事前にアドバイスをさせて頂くというのがまさに我々の仕事ですね。

全体のスタッフの和とか日本人の割合はどの程度ですか?

 

グループ全体で250名位なのですが、日本人が7名しかいないんですね。これは他の日系の会計事務所と違うところだと思いますし、規模に比べてかなり少ないと思いますね。

日本人はたくさんいてもあまり付加価値が出ないという考えで、ベトナムは法律も役所の手続きの書類も全てベトナム語でなくてはならなくて、会計帳簿、税務申告書もそうです。そして、コンサルティングの肝である役所との交渉もベトナム人がベトナム語でやらなくてはないんです。

一方でうちは日本人みたいなベトナム人が物凄く多いです。

それは日本留学経験者ですか?

 

そういう人もいますし、ベトナムで日本語を勉強して新卒で入ってきて、5-10年経つビジネスレベルで日本語が出来るベトナム人がいるのでそうしたコンサルタントが実務をして役所との交渉もして、そのまますぐにお客様に説明してアドバイスするという体制をとっています。

 

250名はびっくりですね。それを7名で管理しているんですよね。

 

管理者の中にベトナム人もいますし、7名のうち経営層は3名しかいないんですよ。他の4名はベトナム人のコンサルタントと協力して一緒にやっています。

同じ仕事をしているわけではなくて、日本人のコンサルタントは日本の本社であるとか、日本人のベトナム現地の代表の方に説明をするというのが主な業務になります。

なるほど、面白いですね。

ベトナムの国自体の平均年齢は28歳位なのですが、弊社はほぼ新卒しか採用しないので、会社の平均年齢が25.5歳なんです。

今の日本ではとても考えられないですね(笑)

 

そうですよね。ですので、日本の会計事務所とか会社をイメージして弊社にいらっしゃるとあまりにも若い人たちがたくさんいるのでかなりのギャップを感じると思います。

私も5年半、ベトナムにいて、弊社のメンバーであったり、ベトナムやカンボジアの国自体に凄く成長させてもらったなと思っています。ベトナムでビジネスをやっていくという本業もありますが、自分がベトナムのお陰で成長できたという事をベトナム人だったり、カンボジア人の若い方に同じような経験をして頂いて彼らの成長を促す存在でありたいというのが我々の経営理念としてあります。

それとベトナムに進出してくる日系企業のお客様に恵まれて成長させてもらったというのもありますので、これから進出してくる企業や今、すでに進出している企業の皆様の成長を促す存在でありたいという気持ちで経営をしています。

これはいつも驚かれるんですが、21歳位の大学卒業したての方を採用する時に「3-5年働いたら辞めて下さい」と伝えるんですね。

その間に何処にでも行けるようなプロフェッショナルになって欲しいということですかね。

 

そうですね。そういう教育をします。

皆が皆、経営幹部になれるわけではないじゃないですか。一部我々のカルチャーに合って、これからもっと成長できるような人材に関しては経営幹部に残ってもらいますが、大半の方には辞めて頂く事になるんですね。

その代わり3年以上弊社に残った方に関しては私もその方のマインド面だったり、スキル面では保証できると思っていますので、次の仕事を探す約束はします。

お陰様で進出日系企業はたくさんいらっしゃっていて、人材確保に苦労されているので、うちのお客様に弊社の人材を採用して頂くようにしています。

目先の売上や利益が下がることもありますが、そうした人材が将来的に転職先で活躍すれば長期で有効な関係が築けますし、そうしたことを我々がやっているという事がベトナムの学生にどんどん広がっていけば、キャリアアップしたい若い大卒の子たちがどんどん集まってくる会社になるであろうという想いでやっています。

現地の方ですとベトナムの会計士資格を取得している方もたくさん採用しているんですか?

 

そこは日本と大きく事情が違うところでベトナムは学歴要件と実務要件が無いとそもそも受験資格すら無いんです。ですので、大学を卒業したけど、資格は無い方を採用して5年位実務経験を積んでベトナム公認会計士になったり、ベトナム税理士の資格にチャレンジするという感じです。

 

アメリカのCPAに近いですかね。

 

日本の会計士資格は比較的、受験要件だけを見れば低いですけども、ベトナムはそうしたお国柄も合って、日本の10分の1くらいしかいないと思います。したがって会計士の地位というのは非常に高いですね。

 

日本国内でこれからUSCPAを勉強しようかと考えていらっしゃる方の場合、日本の公認会計士資格とUSCPAのどちらが良いかと考える方も多いのですが。

 

それは私も考えましたね。

 

そうですよね。海外で仕事をしているとおそらく日本の公認会計士資格を持っている方もベトナムで活躍されていると思いますが、日本とUSCPAの違いを感じることってありますか?

 

現地に行って、その違いを感じることはあまり無いですね。ただ日本の公認会計士の方は監査法人の経験を経てベトナムに来ている方が多いので、その経歴で違いを出せるというのはあると思います。

私の場合はバックグラウンドが会計ではないところで、とにかく短期で語学と専門知識を身に付けなければならない中で、数年間は要するであろう日本の公認会計士よりもUSCPAの方が良いであろうということでUSCPAを選びました。その選択は今でも間違っていなかったと思っています。

私が受験した時も30歳を過ぎていたので日本の公認会計士にチャレンジするというのはリスクが正直、高いかなと思いました。

USCPAであれば合格率もグローバルで見ると50%前後で、やれば合格できるだろうという見通しもあったのでUSを選んだんですね。

会計事務所の方と話をしていてもグローバル化が進んでいく中で会計士資格という点では日本でもUSでもあるいは英国の公認会計士もありますが、どれかひとつ持っていれば、会計プロフェッショナルとして仕事をしていく上で違いはそれほどないであろうという意見を聞くことが多いですね。

そうですね。資格を取って始めてスタートラインに立てるので、そのスタートラインに立つまでのプロセスはそこまで重要ではないと思いますね。そのスタートラインに立って始まるので出来るだけ早くそのスタートラインに立って、より多くの経験や人脈を作ったほうがチャンスは増えると思います。

あとは英語が得意な方であれば良いですが、そうでない方が海外でやりたいということだとUSCPAを勉強すれば強制的に英語力は付きますし。

日本の公認会計士資格だと合格するまでにかなりの時間が必要になるので、資格を取ったということに固執してしまうリスクがあるんじゃないかと思いますね。

USであれば要領よくやれば短期で取得もできますから、これでスタートラインだと開き直れますし、それを活かして監査法人・会計事務所にとらわれず、自分のキャリアアップの為に使っていくというマインドに変わって行きやすいんじゃないでしょうか。

USCPAの場合、アビタスの受講生を平均すると30歳前後になるのですが、ある程度、ビジネス経験のある方が勉強をされているので、資格を取った後も「会計士」である前に「ビジネスマン」だというマインドになりやすいのかもしれないですね。

ビジネスの経験がなく、会計の勉強一筋で合格をすると自分は「会計士」であるという意識が強くなりますが、USの場合はビジネスマインドが比較的強いような感じがします。

そうですね。特に東南アジアで仕事をする場合はカウンターパートが経理マンではない可能性が非常に高いんですね。

現地の代表者か本社の経営者の方と仕事をするケースが殆どでそうすると会計人叩き上げでいくと専門用語も出てきますし、細かい話もどうしても多くなってしまうのですが、彼らは会計税務に対して経営の為に必要な要素だとは思っていたとしても、そこに対して知的好奇心があるわけではないので、むしろ会計ではない違うバックグラウンドの人がUSCPAを取得してお客様に接したほうが同じ目線で分り易い説明ができるんじゃないかと思います。

私は自分でビジネスをやりたくて会計税務を勉強し、その手段がUSCPAであって、ベトナムに行ってビジネスをやろうと思ったのですが、たまたまこの会社の経営に携わるようになり、そのビジネスが会計税務で、それ自体に興味があったわけではなく、むしろ苦手意識が強いんですよ。

でも、お客様も同じ考えなので、「私も会社を経営していて、会計税務は苦手だけど、ここまでは最低限、経営トップとして抑えたほうが良いです。だから、お客様もこれだけはご理解ください」という説明の方が腑に落ちて頂けるのかなと思いますね。

先ほど自分で独立をしてマネージメントをやりたいからUSCPAを勉強されたというのは非常に私にも理解が出来て、私も今、こういう仕事をしていますが、USCPAを勉強するときには自分で会社を作るために始めたわけではなくて、日本の公認会計士なども比較した中で、ひとつは日本のドメスティックな分野で戦っていこうとすると非常に優秀な方も多いですし、このフィールドで戦っても勝てないだろうなという想いがあったんです。

それは試験という点を見ても日本よりもUSの方が受かりやすし、戦いやすいしと。

あるいはアビタスという会社を見てみても日本の資格のプログラムはひとつも無くて、全て海外のものしか扱いませんが、これもドメスティックなフィールドで戦うと競争が激しすぎて勝てないだろうという感覚を持っているんですね。

ですので、実原様の言うベトナムで勝負をしていくんだというのは物凄くわかりますね。

どうせやるならチャンスが多くて成功確率の高いフィールドで勝負を掛けたほうがいいなという想いがあって、2008年に各国を回ったのですが、当時既にタイやフィリピン、マレーシアはGDPが数千ドルのレベルで、ベトナムは800ドルだったんですよ。

かと言って、ベトナムが劣っているかというと全くそんな感じはしなかったんですね。ベトナム戦争などの歴史的な経緯でその時のステージが低かっただけで、将来はタイやマレーシア、フィリピン、もしくはもっと日本のようなレベルになれるだろうと思ったんです。そうしたら、今後の経済の伸びしろという意味ではベトナムのほうが圧倒的にチャンスがあるなと思ったんですね。

そうですね。やはり国内を見ると少子高齢化で確実にマーケットは小さくなっていって、私たちも日本だけをターゲットとして教育サービスを提供していくということでは間違いなく縮小していくんですよね。

そういう意味では我々の扱っているアメリカの資格をアジアの人たちに受けてもらおうという取り組みをしていかないと。どの産業セクターでも同じだと思いますけども国内だけを見ていたのでは成長できないですね。

それを既に日系企業が危機感を感じ、海外に進出していますので、我々日本人が海外で活躍するというフィールドもどんどん増えていっていると思います。

 

今、「インバウンド」という言葉が盛んにマスコミでも使われていて、旅行者が物凄く増えてきているという話ですが、旅行者だけではなくて、今、この為替ですのでおそらく海外からの日本企業へのM&Aも増えていくでしょうし、外から内という流れも加速していくので平行して「アウトバウンド」、特にアジアでしょうが日本人も外へ出て行かざるをえないですよね。そういう意味では本当に経済的に見ればひとつのマーケットになっていくのかなと思って見ています。

 

今、ベトナムの物価とか給与水準というのはどのような感じなのですか。


taidan_1_jitu2GDPで言うと2000ドルくらいなので、日本に較べると20分の1くらいかなと思うのですが、行ってみると全然そんなことないです。

例えば、昨日行った日本食のレストランはベトナム人経営の日本食レストランで、ターゲットは日本人駐在員ではなく、ベトナム人の富裕層と欧米系の駐在員なんです。

価格が日本人の行く日本食レストランの倍以上するんですが、物凄く流行っています。

それだけベトナム中心部に住んでいるベトナム人の富裕層の購買力はどんどん上がっていますね。ホーチミンのど真ん中に住んでいると自分が富裕層だとは思わないですよ。

中間層なんじゃないかと思います。まだ日系企業で言うと日本人が上司でベトナム人が部下というのが当たり前で、日本人の方がベトナム人より給与が高いという形ですが、これは近いうちに覆るなと思っています。

国籍を問わずその人の能力であったり、役割、もしくは責任で待遇が決まっていくと思いますし、日本人もベトナムへ行ったら最初にベトナム人の上司を持つようになると思います。

弊社も会計事務所ということでやっていますが、それ以外に将来の日系企業はこうなっているだろうなというものを描いて、我々がそれを実践して失敗と成功の経験をお伝えするということをやっています。

多少はベトナム人よりも日本人の方がスタートの給与は高いのですが、ベトナム人の部下に付いている日本人もいますし、日系駐在人よりも報酬が高いベトナム人が何名もいますので、そうした経営のあり方に日系企業もなっていくんじゃないかと思います。

ベトナムでいうところの一流大学を出ている新卒の給与が大体4万円くらいで、そこから毎年給与が数10%も上がっていくんですね。業種にもよりますけども。弊社の場合には毎年2-30%上がっていきますので、4年目の25歳位になると倍の8万円になっていると思います。

若いマネージャー層だと20代後半ですが、そうするとだいたい20万円くらいの月給になってくるので、日本人に近くなってきますよね。

うちの経営幹部の平均年齢は35歳位ですが、かなり夢のあるマーケットだと思います。

当然、うちの日本人駐在員だってチャンスを掴めば同じような上がり方をしていくので、日本でサラリーマンをしていてもなかなか給与も上がっていかないですし、平均年齢も高いですので、出世するのが難しいと思いますが、ベトナムは若いですし、どんどん成長していくのでそうした待遇面でもチャンスがあると思いますね。

ホーチミンでの生活で良いところと大変なところというのはどんなところですか?

 

基本的には東京とホーチミンの生活を較べるとホーチミンの生活のほうが余程豊かに暮らせますよね。物価の差もありますしね。

例えば移動ひとつを取っても、私はタクシーで通勤をしていますが、片道400円とかですのでメトロで通勤するのと変わらないですよね。

住むところも日本と同じように10-20万円を出せば、ホテルのようなラグジュアリーなところに住めますので生活は豊かになります。

ただ税金が凄く高いです。ベトナム人の平均レベルに併せて累進税率が設定されているので、日本人が行くと高額所得者になり、給与の3分の1くらいは税金で取られていくことになります。

あとは日本だけでしか手に入らないものも結構あるので、そうしたものを手に入れようと思うと大変ですよね。食べ物で言うと梅干しとか納豆とか(笑)なかなか手に入らないですし、手に入ったとしても輸入なので3-4倍します。洋服もそうですね。

ただ、たまに帰ればそうしたものは手に入れられますからね。

地域的な特色はありますか?

 

ありますね。「東京と大阪くらいですか?」とよく聞かれますが、それ以上に遠いですし、文化とか人柄も違う国じゃないかと思うくらい違います。

あとベトナムと日本人を比較した時、おそらく2-30年前だったらかなり大きく違ったと思いますが、今は本当に皆、Facebookをしたり、LINEをしたりと若い人のカルチャーというのはどこの国も変わらなくなってきているので、国籍によるギャップと言うのは無くなってきていると思いますね。むしろジェネレーションギャップの方が大きいかもしれません。

ベトナムで伸びている企業というのはどのような企業ですか?

 

ベトナムはシェアを取るのが凄く難しいのですが、取ってしまうと覆すのが難しいというのがあります。ある業種の日系企業は同業種の日系企業が見向きもしない時からベトナムへ進出して、マーケットを作ってきたので、半分以上のシェアを取っているんですね。それに対して同業種の日系企業が進出してもなかなかシェアを覆せないんです。

そういう意味でベトナムは所得税が高いし、まだまだ購買力が高くないし、と言って黒字化するのは難しいですが、シェアを取ってしまえばかなり大きいですね。

これからの産業という意味ではどうですか?

 

そういう意味ですとイオンさんに象徴されるようなベトナム個人に売っていくような小売関係とか、サービス業が高度化していくので、サービス産業とか、それと国を挙げてIT企業を誘致しています。

 

日本企業のアウトソーシングというのはあるんですか?

 

ITはほぼオフショア開発ですね。

ITエンジニアのレベルが高い割には給与がそこまで高くないんですね。なので、良い人材を安価で確保できるということで、日本でやっている一部分のビジネスをオフショアする事によってコストが抑えられるんですね。

あとは殆どが親子間取引で、移転価格税制の問題もあるんですが、ベトナム現地で利益を出そうと思えば出せるんです。

そして、先ほど話したように国策でITを誘致しているので、手厚い優遇税があり、15年位ほとんど法人税を払う必要がなく、配当に源泉税が無いんですね。現地でどかっと利益を出して、ほとんど税金を払わずに残った留保利益を無税で日本へ配当送金が出来るんです。

それに6年前に行ってすぐ気づいたんですが、何でITはこんなに進出していないんだと思ったんですよ。それが3年くらい前にIT企業が一気に進出してきました。あの業界は経営層が知り合いなので、すぐにそれが伝わって進出をしてきたようです。

彼らはグループが大きいので、アウトソース出来る作業って多いんですよね。以前は沖縄などでやっていたものをベトナムに持って行っているんです。

その辺りは大連が有名で日本語が出来る人も多いのでというのがあったのですが、人件費が上がってきていますからね。

 

やはり人件費とサービスの質とそこで得た利益を日本に持っていけるというのは大きいですね。

 

實原さんにとってベトナムの一番の魅力はどんなところですか?

 

私はいつも自転車に例えるんですが、目を瞑っておもいっきり漕いで100Mくらい進んだかなと思って目を開けると50Mくらいしか進んでいないのが日本だと思うんです。

競争も激しいし、なかなか成果も出ないですし。一方でベトナムの場合は100M進んだかなと思って目を開けると300M進んでいるという感覚があります。

やったらやった分、もしくはそれ以上に成果が出て自分も成長できて、どんどん次にチャレンジ出来る、そうした経験が出来るのが最大の魅力だと思います。

かつての日本はそうだったんでしょうけどね。

 


 

受験時のお話を伺えますか?

 

私は仕事を辞めて崖っぷちだったので、一発で受かってそのストーリーを売りにしようと思いました。

単純にUSCPAを受かっても自分の行きたい会社に採用されるかどうか自信がなかったので、一発で必ず合格するためには75点を目指すわけにはいかなくて、90点以上を獲るくらいのつもりで行かないと当日の体調が悪いとか、予期せぬ事が起こって、落としてしまうかもしれないと思ったんです。

それがプレッシャーにはなりましたけど、短期で合格できた要因だと思いますね。

受験した後、受かったと思ったんですが、当時は結果が出るまで2ヶ月位待たされたので、これが合格したかどうか自信が無かったら、次の科目を勉強していても集中できなかったと思うんですよね。

それが90点以上、最低でも85点は穫れると思っていたので試験の次の日から次の科目へスイッチ出来たんです。ですので、受験している方は75点ギリギリではなく、90点を狙ったほうが良いんじゃないかというのが私の持論です。

当時はまだ日本受験は出来なかったですよね?

 

そうですね。私はグアムとハワイで受験しました。

ひとつのウィンドウで終わらせたかったので、4・5月のウィンドウで4科目受験したのですが、4月の初旬に2科目をグアム、5月の末にハワイで2科目受験しました。

凄い計画的ですね。

 

私の勉強方法はアビタスの教材のみで、特にテキストの熟読に8割を使いました。MCはその確認の為だけで全問やらなくて良いくらいに思っていましたね。

テキストを完全に理解して頭に思い浮かべられるレベルまで持っていけば受かると思っていたらやっぱりそうでしたね。

人間忘れるじゃないですか、忘却曲線をイメージして、理解度が100%になっても3日もすれば40%くらいに下がるので、3日以内には必ず復習して100%に持っていき、次は50%になるまで一週間位かかるので、その間は他をやっておいて、また一週間後に戻ってやる、という感じで繰り返していきます。

そして、試験の三日前に会場近くの五つ星ホテルに入って、一泊二日掛けて全ての論点を100%の状態に持っていき、記憶のザルから水が漏れる前に試験を受ける、という戦略でした。

そうすると寝不足になるんですね。ですので、試験当日は栄養ドリンクの力を借りて試験に臨みました(笑)

絶対に受からなきゃいけないという時ってそこまで追い込みますよね。

私が受験した時はまだペーパーの試験で、年に2回しかチャンスがなかったので本当に追い込んで勉強しましたね。そういう意味では今は日本で受験できますし、毎日受験も出来るわけですから、受験しやすいですよね。

最初にアビタスでセミナーを受けた時、合格まで1,000時間と聞いたのですが、私も本当にきっちり1,000時間でした。

FARで400時間、AUDが250-300時間、REGで200時間、BECで100時間強位だったと思います。私は簿記の知識も無かったので、どうしてもFARに時間がかかりましたね。

FAR+REGの組み合わせで最初に受けて、その後にAUD+BECで受けました。

これからCPAの勉強をしようと考えている方に何か一言お願いします。

 

資格を取ったからといって何か劇的に変わるということは無いと思うんですね。ただ次のチャレンジのスタートラインに立てるという意味で素晴らしいと思いますし、USCPAは短期で必要最低限の知識を勉強が出来るので私はお勧めの資格だと思います。

皆さんは私と違い、仕事しながらだと思いますので、大変なことも多いと思いますが、是非、頑張って短期合格を目指してください。

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