グローバル化・デジタル化時代のキャリアメイキング
USCPA(米国公認会計士)で可能性を拓く

グローバル化、デジタル化の進展に伴い、ビジネスを取り巻く環境は変化し、求められる人材やスキルも変わってきている。

そうした中で、激変するグローバルビジネスの現場に即した資格としてUSCPA(米国公認会計士)が注目を集めている。USCPA資格試験の問題作成などを担う米国公認会計士協会(AICPA)の試験チーム統括責任者マイケル・A・デッカー氏と、財務会計アドバイザリーとして活躍するUSCPAホルダーの山内正美氏、会計専門職大学院で教壇に立つ橋本尚氏の鼎談を、アビタス代表の三輪がモデレータを務め進めた。

臨場感あふれるビジネスと教育、USCPAの“今”をお届けする。

グローバル化・デジタル化で変化するニーズ


マイケル・A・デッカー氏

Michael A. Decker
米国公認会計士協会(AICPA)
試験チーム統括責任者


山内 正美氏

EY新日本有限責任監査法人
財務会計アドバイザリー プリンシパル
米国公認会計士(イリノイ州)


橋本 尚氏

青山学院大学大学院
会計プロフェッション研究科教授


三輪 豊明氏

アビタス代表
米国公認会計士(ワシントン州)

新試験「CBT3」は上々スタート

三輪:
グローバルビジネスの現場で何が起こっているか、というテーマから始めたいと思います。日本のBIG4(4大監査法人)の1つであるEY新グローバル化・デジタル化で変化するニーズ日本監査法人では、今の変化をどのように感じられていますか。

山内氏:
会計の世界に限らず、日本は少子高齢化などを背景に経済が縮小傾向にあるのは周知の事実です。我々のクライアント企業も海外に成長の機会を求めたり、人手不足や働き方開改革への対応として、デジタル化・IT推進も業界を問わず課題となっています。

三輪:
山内さんはアドバイザリー部門にいらっしゃいますが、具体的にグローバル化、デジタル化に関して感じられる変化はありますか。

 

山内氏:
私が携わる財務会計のコンサルティング分野では、海外の買収案件が増えています。グローバルに活躍する大規模なマルチナショナルカンパニーだけでなく、今まで海外企業を買収したことがなく海外に初めて進出するような企業の海外買収案件が後を絶ちません。

私は海外進出する日本企業のサポートをさせていただくことが多いのですが、多岐にわたる業界でさまざまな規模の企業のグローバル化を実感します。

デジタル化については、AI(人工知能)やデータアナリティクスを利用して監査をデジタル化していく動きに加えて、会計アドバイザリーの分野でも、テクノロジー活用した業務効率化は不可欠であり、デジタル化に対するコンサルティングニーズは非常に増えています。

実務に即応して進化するUSCPA試験

三輪:
AICPAはUSCPA試験の問題作成もされています。米国におけるビジネスの中で、デジタル化、IT化の流れを受けて、USCPAの試験そのものも実務に合わせる形で進化している側面もあると思います。

 

デッカ―氏:米国も日本と同じような状況にあると思います。

とくに標準化された仕事や単純な仕事の自動化やアウトソーシングの進展、海外への移転などに重点がおかれています。

AIやブロックチェーンなど、テクノロジーやデータを活用する時代になっており、すでにビッグデータの活用は始まっています。「今ほど変化の激しい時代はない」とはよく言われる言葉ですが、まさにその通りです。

激しい変化のスピードに企業が対応し成長するには、デジタル世代の若者が持つ専門知識やテクノロジーのスキルを活用して、より強いグローバルビジネスを構築していかなければなりません。国内だけでなく、世界市場の中で成長していくのです。

CPAの試験問題を担当している私としては、会計を専門とするファームでCPAに何が求められているかを確実に評し、CPAを成長させていくことも、我々に課せられた大きな課題であると認識しています。

三輪:
USCPAはプラクティスアナリシス(実務分析)というプロセスを踏みながら、ビジネスの世界で求められる知識を試験に反映させていますね。

 

デッカ―氏:

我々が行っている問題作成の本質は実務分析にあります。

これまで我々は大小のファームやCPAのグループを対象に、「資格取得後2年程度の新人CPAには何が求められるか? 毎日どんな仕事をしているか?」などを調査して、7年ごとに試験を更新してきました。

しかし、我々はそれでは不十分だと感じ、2013年から2016年にかけて大規模なリサーチを行い、新たな試験を2017年に立ち上げました。

ここでの実務分析は、ブループリント(試験出題基準)の開発、発表につながりました。ブループリントでは、600のタスク・ステートメントにより、受験者が学習すべきことを具体例で示しています。2018年は、テクノロジーとデータの影響に注目しました。

「データアナリティクスはどうなっているのか?」「テクノロジーはどうなっているのか?」「試験にはどのような影響があるのか?」といったことです。

これからのCPAはデータに抵抗感があってはなりません。多くのファームでは、データの加工・成形などを行うデータラングリングのスキルが必要ですし、V-lookupテーブルやIF文、ピボットテーブルといったマイクロソフト社のExcelの最低限のスキルも求められています。データ分析プラットフォームTableauなどのソフトウェアパッケージの存在も知っている必要があります。

加えて、デジタル時代にふさわしいマインドセットも必要です。「このデータはどこからきているのか?」「どのようにしてデータが作られるのか?」「これは完全なのか?」「これはセキュアか、プライベートなデータか?」「それは正確か、信頼できるか?」「それが適切か?」を考え、「データに不足はないか?」と疑ってみる。ビジネスが収益を上げている仕組みや、負債の在りか、成功と成長の方法、そしてビジネス全体でデータの活用方法を考えなければなりません。

企業は多くの仕事を外部のベンダーにアウトソーシングしています。そのため、外注先企業にもSOC(System and Organization Control)監査をする必要があります。新しくCPAを取得した人は、SOC監査の必要性も知らなくてはなりませんし、そうした監査の背後にあるユーザーコントロールについても知る必要があります。

ビジネス資格のグローバルスタンダード

三輪:
2020年から、USCPA試験の監査の科目の中で、Excelのフィルタリング機能なども使って問題を解いていく出題がスタートすると聞いています。そういう意味では、USCPA試験は、テクノロジー、ITを重要視する方向に動いています。日本の会計専門職大学院での最近の動きはいかがでしょうか。

橋本氏:
USCPAの試験がIT等を含めて変わるというのは、2019年の8月にサンフランシスコで開催された米国会計学会で学者の間でも大きな話題になっていました。USCPAは常に実務と時代にマッチするように試験の内容を変えています。会計の資格というよりもビジネスの資格として1つのグローバルスタンダードだと考えています。

会計専門職大学院である本校の教育も、かつての計算能力重視から判断能力や見積もり能力、予測能力重視へと変化しています。知識の吸収というインプットから、いかに効率的にいろんな表現、プレゼンテーションやコミュニケーションできるかといったアプトプットスキルの育成に重点を移行しているのです。

インバウンドの拡大で、グローバル化は国内でもおきています。テクノロジーの世界では、中小企業でもキャッシュレス化が進もうとしています。従来は大企業だけの問題と思われていたグローバル化とデジタル化への対応が、今は中小企業にも必要とされています。それは新しい時代の会計専門家に求められるスキルだと思います。

山内氏:
これまでUSCPAのキーワードだった会計と英語に加えて、デジタルという要素が入ってくることで、会計士の資格が新たな時代に入ったように感じます。日本の会計士とは異なる味付けが加わっている。

橋本氏:
ビジネススタイルがITやAIを抜きには語れなくなっていますからね。当然、時代と共にそうした方向にいくのでしょうね。

 

会計士がAIに置き換わるわけではない

三輪:
2018年、AICPAとNASBA(National Association of State Boards of Accountancy;全米州政府会計委員会)がUSCPAの改革を構想したCPA Evolution initiativeと5つの原則を出しています。デッカーさんからご説明いただけますか。

デッカ―氏:
米国では会計士を必要としているファームが、会計士以外の知識やスキルセットを要求していることが大きな問題となっています。AIや自動化が会計士に取って代わるのではないかというトレンドやメッセージのようなものがあるからです。実際には、AIや自動化は、標準化された一部の単純作業を置き換えつつあるのであってCPAがAIに置き換わるわけではありません。

自動化されたシステムからリスク分析やコントロール分析のデータが戻ってきたとき、システムの動作を承認するのが、会計士の新たな役割です。これは変化であって、これまでとは異なる能力が会計士に要求されるということです。そうした変化に対応して会計士も進化していかなければならないというのが、CPA Evolution initiativeです。

試験を通過してくる会計士候補者数は減少しており、AICPAもNASBAも、これからの会計士のあるべき姿について、教育、職業の両面から話し合い、協力して検討を進めています。

我々はデータアナリティクスやデジタルマインドセットに関する評価に加え、リスクの理解についても話し合いました。これらは基本的な問題です。AIやロボティクスの影響はすぐには出てこないかもしれませんが、2~3年後も無関係というわけでもありません。会計士になろうとする人にはデータアナリティクスやデジタルマインドセットを今から身につけてもらう必要があります。AIやブロックチェーンなど新しい技術を知る必要性がすぐに出てくるからです。

こうした新たなテクノロジーやスキルに対応して、会計士はどのように進化できるでしょうか。技術的、分析的な専門知識の獲得が、教育からも職業としても明確に要求されています。可視化できるか、理解できるか、コミュニケーションできるか、それを元にプレゼンできるかなどが問われます。

原則の3つ目に、最初のライセンス要件の再考があります。要件のいくつかについては、ライセンス認定に150単位を要し、4つのセクション全てを18か月でパスしなくてはならない時代にまでさかのぼります。一定の教育要件を満たした上で、州の委員会を通じて申請しなくてはなりません。教育や、企業、雇用主の要求は、凄まじい速さで変化しています。教育は変化しなくてはならず、ライセンスへの要求も雇用主からの要求を満たすために変化しなくてはなりません。

そのため、4つ目の原則として、やはりテクノロジーやアナリティクスに重点をおいた再設計が必要となっています。約2年間にわたるアセスメントでは、新人会計士はこれまでよりもキャリアの早い時期に技術的で専門的な内容に携わっていることがわかっており、我々は基準の引き上げを求められています。自動化によって、これまで行わなかった作業や監査業務が生じているかもしれません。彼らはどのようにしてそれを行っているのでしょうか。

5つ目の原則は、変更は迅速に行われる必要があるということです。州の委員会が州のライセンスに変更を加えるには時間がかかります。また教育におけるカリキュラム変更にも時間がかかります。教育や職業、評価団体が一丸となり、ビジネスに合わせてできるだけ早急な変化への対応を考えなえればなりません。容易な作業ではないと思います。

USCPAは世界で仕事ができる

三輪:
改めてファームのお話を伺いたいのですが、そもそも今アドバイザリー部門はどのような人材構成になっているのでしょうか。

 

山内氏:
財務会計アドバイザリー部隊は150人ほどで構成されています。そのうちの6割程度が監査法人から異動してきた日本の会計士です。約3割がUSCPAで中途採用の人もいれば監査をやってきた人もいます。残りの1割が、英国の公認会計士(ACCA)、や香港、オーストラリア、中国など、米国以外の海外CPAです。国籍も多彩で、外国人がコンスタントに1割はいます。日本人でも帰国子女や駐在経験のある人が多いです。グローバル化対応はクライアントが求める必須条件であり、海外と無関係なプロジェクトはほとんどありません。言語を含めて海外対応できるチームを組成しています。

三輪:
どういうバックグラウンドやスキルを持った人が求められているでしょうか。

 

山内氏:
会計士バックグラウンドのコンサルティング部隊では、お客様のリクエストに応えるには監査の視点も重要ですが、事業会社視点でビジネスの運営の実態を理解した上でのアドバイスでも必要ですから、それぞれの視点を持った混成部隊でチームを組むと非常にいい仕事ができます。監査出身の日本の会計士と事業会社出身のUSCPA等各国のCPAとを組み合わせたチームであれば、海外対応も日本基準のアドバイスもできます。そうしたチームワークができる人材を求めています。監査バックグランドも内部・外部で募集していますが、中途採用で事業会社の経験があるキャリアチェンジの人を多く採用しています。
スキルセットとしては、事業会社での経験があり、日本・米国・その他の国の会計資格、英語に加えて、ITリテラシーがあれば理想的だと思います。

三輪:
橋本先生、会計専門職大学院に来られる方は、ビジネス経験のある方が多いんですか。

 

橋本氏:
今は半々か、三分の一くらいでしょうか。新卒で大学を卒業して会計士を目指して勉強する人と、実務経験があってレベルアップのために学び直してチャレンジしようという人、加えて最近は留学生が増えました。海外は会計の仕事に就きたいという人が多く、とくに中国や韓国からの留学生の中には日本の会計士だけでなくUSCPAを目指す人もいます。留学生はそもそもグローバル化に慣れていますし、日米どこででも活躍したいというニーズがあります。大学院を終えた後、会計士の試験に合格して監査法人に行く人もいれば、一般事業会社でCFOなどの仕事に就く人や、自分で会社を立ち上げる人もいます。これを機会に海外に出ていく人などいろいろな人たちがいます。

三輪:
学生さんたちの会計士資格取得のトレンドについてはどうでしょうか。

 

橋本氏:
日本国内での仕事にこだわっている人はあまりいないようで、日本の会計士の資格をとってからUSCPAにチャレンジしようという人もいます。USCPAはグローバルに認識されている資格です。日本ではUSCPAを持っていても監査報告書にサインできませんが、他の国では相互承認もできています。そういう意味では日本の会計士の資格はドメスティックな仕事に限られますが、USCPAはグローバルに世界で仕事ができる。国際水準の試験に合格しているというのは、キャリアアップにつながるよいパスポートになっています。

人は高付加価値の業務にシフト

三輪:
「会計は世界のビジネスの共通言語である」と言われますが、AIによって会計士の業務が大きく影響を受けるのではないかという話もあります。先ほど、デッカーさんから「そんなことはない」というお話もありましたが、現場の感覚として山内さんいかがでしょうか。

山内氏:
デッカーさんのおっしゃる通り、集計などの単純作業はどんどん自動化されていくと思いますが、より付加価値の高い、データをどのように分析・理解し、ビジネスに関するビジョンを描いたり戦略を練って実現していくのは人の仕事です。今後、高付加価値の業務にシフトしていくだけで、仕事はなくならないと思います。M&Aを例にとれば、グループレポーティングなどは自動化されると思いますが、その結果をもってどうマネジメントしていくかは、企業の経営陣が考えていくところだと思います。

三輪:
こらから求められるスキルについてデッカーさんは、どうお考えですか。

 

デッカ―氏:
コミュニケーションスキルや調査スキル、総合的な思考力、リスク評価、価値創造といったスキルの強化が重要となるでしょう。周りへの好奇心も必要です。「何か忘れていることはないか?」「どうすれば成長できるのか?」「ローカルまたはグローバルなデータとシステムの統合」といった、自動化できないさまざまな高度なスキルを身につけるには、データやビジネスフロー、ビジネスで収益を上げる方法等の理解が必要になります。私たちはこれを評価しようとしており、多くの大学が教育をシフトしようとしています。

三輪:
2017年からスタートしたUSCPAの新試験では、暗記よりも分析等を重視するという考え方がありました。暗記や理解はAIによって置き換わっていっても、分析能力や判断能力は人間がやらなければならない、というところでつながっている。そんな理解で正しいでしょうか。

デッカ―氏:
以前はモデル選択問題で記憶や理解のレベルを問う出題が60%、高度な分析・評価などをシミュレーションで問う出題は40%でした。2017年にはそれぞれを50%としました。テストの専門家である心理測定学はモデル選択問題の信頼性と同じくらい、シミュレーションや高度なスキルを評価するようになっています。それこそが、新しくライセンスを受ける人たちに求められていることだからです。

USCPA試験は「最新」であることを意識

三輪:
USCPAの過去の歴史を振り返ると、私自身は1995年、まだ紙ベースの試験の時代にモンタナまで受験に行ったわけですが、2004年に試験がコンピュータベース(CTB;Computer Based Testing)になり、2011年にCBT-eに変更され、同時に米国内だけでなく、日本と中東でも試験が受けられるようになりました。その後、2017年にCBT3と呼ばれる新試験制度がスタートしてからは、試験の実施地域もブラジルや昨年からはスコットランド、アイルランド、ドイツへと広がってきています。

デッカ―氏:
私よりも詳しいですね(笑い)。2017年に新試験制度がスタートした後、2018年にはソフトウェアがすべて新しくなりました。PCの前に受験生が座ると、ディスプレイの左側に項目が表示され、右側にはさまざまな添付書類や調査用の文献、またはExcelの空白のスプレッドシートか問題があります。多くの人が日常利用している2ディスプレイを真似しようとしたのですが、試験用に全員に2つのモニターを用意するわけにはいかないので、ソフトウェアで似たような環境を用意しました。

三輪:
USCPAは常に進化しています。なぜ、変化し続けるのでしょうか。

 

デッカ―氏:
我々の大きな課題は、「試験は常に最新のものになっていなくてはならない」ということです。これは、専門家として我々の試験作成を手助けしてくれている心理測定学者たちの考えでもあります。実際、試験は常に現在の仕事に沿った最新のものであることで、有効性や信頼性を確保できます。

新しくライセンスを受けた会計士は今、何を知っている必要があるでしょうか。分かりやすい例は薬剤師です。薬剤師に必要なのは古い薬や利用されない薬の知識ではなく、最新の薬事法や薬の使い方などであり、試験もそうした内容にすべきです。会計士という職業も同様です。試験内容を最新の状態を保つのが、我々の大きな課題であり、果たすべき役割なのです。

これまでは年に1回試験の更新を行ってきましたが、今では試験は四半期ごとに更新しています。新しい基準ができたり、項目が実務にそぐわなくなってしまうからです。あらゆる規模のファームと話し合い、新しくライセンスを取得したCPAのマネジャーやスーパーバイザーと会って、新しいCPAは何をしているかを聞いています。それが評価に必須だからです。

この先の研究は、データアナリティクス、テクノロジー、デジタルマインドセットなどがあります。AIはまだ、サイバーセキュリティもまだ、自動化もまだですが、来年あるいは2年後にここで同じ話をしたら、新しいCPAたちは、Excelを使いこなし、デジタルマインドセットに習熟しており、さまざまなテクノロジーについても語っているでしょう。そうした姿を実現しなければなりません。

また、監査や財務諸表に依存しているあらゆる人の公益の保護は、CPAの役割です。したがって、我々も試験を通じてその目標を達成しなければなりません。

USCPAにはさまざまなチャンス

三輪:
USCPA取得後の、資格の活用とキャリアについてはいかがでしょうか。

 

デッカ―氏:
USCPA同士が仲間になれることは最大の魅力の1つです。通っていた学校や合格までの試験回数にかかわらず、みなが仲間です。

USCPAの資格は継続的な教育が必要でずっと有効です。ライセンスで従わなくてはならない行動規範があり、誰もこの資格を奪うことはできません。もう1つ重要なことは、この資格は「ビジネスを理解している証」だということです。基本を理解し応用できることを示しています。

ベビーブーマーが退職して小さなファームを立ち上げるにつれて、米国では小規模なファームの統合が起こっています。若いCPAは家族経営のビジネスで働くか、小さなファームで働いて、最終的には自分のファームを所有し、場合によっては統合を通じてより大規模なファームになっていくチャンスもあります。

BIG4をはじめとした大手ファームで働けば、世界を股にかけて仕事をするチャンスがあるでしょう。小さなファームで働いてもいいし、大手のファームで働くこともできるし、教育に関わることもできるでしょう。働く国の選択肢も広がり、さまざまなチャンスが提供されるでしょう。USCPAは国際的に認められた資格ですから、履歴書に記入すれば準備は万端です。

三輪:
日本では、我々日本人がUSCPAを取得して、ファームの中でどんなキャリアが積めるでしょうか。

 

山内氏:
監査に関しては日本基準での監査報告書を出すには日本の会計士である必要があるので、そこに制限は当然あります。

しかし、アドバイザリーについては、エンゲージメントパートナーとして責任者になるには日本の会計士である必要はありません。私のようにパートナーになる道は普通に拓けています。差別は全くありません。

顧客の求めるものを高品質で提供するのがアドバイザリーの役割です。顧客から求められるアドバイザーになれば、いくらでもキャリアパスは描くことができると思います。

三輪:
アドバイザリー部門であれば、会計資格という点では、日本であれUSであれ関係ないわけですね。会計資格は何か1つ、もっていたほうがよいでしょうか。

 

山内氏:
はい。会計のプロフェショナルとしてアドバイザリーのするので、高いレベルの知識と理解力があることを証明する会計士は持っているべき資格ではあると思います。

 

三輪:
会計専門職大学院を出られた方は、どうでしょうか。

 

橋本氏:
USCPAを取得する人は、キャリアアップを狙っている人が多いと思います。

ビジネス全般の資格であると同時に英語の資格でもあるので、日本では会計の知識がある人よりも英語が得意な人のほうがUSCPAが取得しやすい傾向があるようです。会計や監査のバックグランドはないけれども、USCPAを取得したり、大学院に入ってMBAをとろうという人は少なくありません。欧米ではたいていマスター(修士)を持っていて、ドクター(博士)まで持っている人もいます。

日本人のビジネスパーソンは、どうしても学部卒業で就職します。ある程度、高度な判断をするような人は、経営学修士とUSCPAをセットで取得すればさらに強い武器になると思います。

三輪:
確かにUSCPAを受験するとき、現在150単位求められるのが一般的になってきていて、実質的にはマスターを持っているというのが当たり前になってきているのかもしれませんね。

 

キャリアアップの強力な武器を手に入れる

三輪:
最後に読者にメッセージをお願いします。

 

山内氏:
デッカーさんのお話に、私もすごく刺激を受けました。私がUSCPAを取得したのは昔なので、もう一度受け直したほうがいいのかと(笑い)。まさに時代が求めるものに試験の内容を変えているところが素晴らしい資格だと思います。以前は、会計基準の資格という感じだったのが、今はグローバルビジネスに必要なスキルを試すような資格だと思います。橋本先生がおっしゃるように、まさにキャリアアップの強力な武器として使えると思います。ぜひ頑張って挑戦していただきたいと思いますし、取得後はアドバイザリーという道もありますので、そこでも是非活躍していただきたいですね。日本企業のグローバル化、デジタル化を直接支える仕事ですので、そういった意味でもやりがいのある仕事だと思います。

三輪:
150人いらっしゃるスタッフの中には様々な国の会計士の方がいたり、国籍も様々な方々が集まって、魅力ある、やりがいある職場だと思います。USCPAが、そうしたところに入る1つのきっかけになるというのは嬉しいことです。

山内氏:
はい。極めて強力なアピールポイントになると思います。

 

三輪:
橋本先生、いかがでしょうか。

 

橋本氏:
日本人も働き方改革等で仕事と生活の両立が必要とされています。今の仕事はチームで働くので、その中で多様性を認めながら、自分の存在感を改めて認識していくのが今日のグローバル化、デジタル化が生み出した社会での働き方であろうと思います。

今後、仕事はますます高度化し、ある面ではAIなどで効率化する面もあって、仕事の中身も変わってくると思います。その中で、人間としての倫理観を大事にしてもらいたい。AIの時代にあっても、最後の正しい判断をするのが人間の仕事です。ビジネスの世界で、倫理観をもってAIを使いこなしていくような人材を育成していきたいと思います。

三輪:
では、最後にデッカーさんから。、

 

デッカ―氏:
ビジネスに興味がある人にとって、USCPAほど価値がある資格はありません。今の若者は持続性を求め、公共の利益を守るために、倫理的に信頼できることをしたいと考えています。規範に沿った行動を望み、より素晴らしい地域社会づくりに貢献したいと思っています。それらは会計士の中に、深く根付いたものだと考えています。

中には親が苦労している背中を見ながら育った若者もいるかもしれません。USCPAは安定した仕事の提供と自由度の高いキャリア設計を提供します。出産後、会計士として仕事に復帰することもできますし、ほとんどのファームがワークライフバランスを考慮しています。会計事務所も企業も変化しつつあります。その中でも、USCPAは発言力があると思います。履歴書にUSCPAと書けば人生の準備は万全です。世界中でこれに勝る資格はないと思います。

(本稿は2019年9月、東京都内で行われた鼎談を編集部でまとめたものです。)

 

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