IFRSの導入を見越し、企業のニーズに応えるために、USCPAを目指しました。

 

コンサルティング会社経営

斎藤 淳さん

学習方法はフェーズド・アプローチと言えるものです。

(1) フェーズ-1:基本コンセプトの理解

主たる教材:講義DVD、テキスト
従たる教材:MC問題(シリアル)

このフェーズではアビタスの言う通りに、講義DVDを視聴し、テキストの該当部分を読んで復習、同様にMC問題の該当問題を解いていきました。前述のとおり、私は受験勉強を10カ月中断してしまいましたので、学習再開時に全ての科目を最初から勉強し直しましたが、再開までに講義DVDをすでに見ていたものだけは、DVD視聴を割愛しました。

DVDを全部まとめて視聴してからMC問題を解こうとすると失敗すると思います。MC問題を解くと、講義やテキストでは「こんなことを説明していたのか」、「具体的にはこう考えるのか」と理解が深まることがしばしばあったからです。従いまして、テキストを読んだ直後に該当するMC問題を解くのが、最も効果的と思います。MC問題はテキストを読む切り口(視点)や重要個所も教えてくれました。アビタスでも、最初はMC問題を教科書として使うように説明しておりましたので、分からない問題に時間をかけるのは得策ではありません。1分間考えても分からなければ、迷うことなく解答をさっさと読みましょう。私は自力で解こうとして10分間以上考えてしまうこともしばしばでしたが、特に通学コースを選択した受験生は、このフェーズは大変忙しいので、時間を有効に使うことをお薦めします。

私はどの科目もある程度のベースとなる基礎知識を少しは持っておりましたので、この最初のフェーズでもMC問題がさっぱりわからないということはなく、結構解いていくことができました。このフェーズでは解き終わったMC問題に、正解であれば「○」、不正解であれば「×」を付けておりましたが、その後このマークは「○」、「△」、「×」の3段階に変更致しました。

○:正解以外の3つの選択肢を理由を挙げて自信を持って除外できた問題
△:正解できたが、自信が持てなかった問題
×:不正解であった問題

不正解の問題の裏面には、その時の誤った選択肢と選択理由も書いておりました。MC問題の中には何度も不正解になるものがありましたが、同じ選択肢で間違えている問題があり、これは誤解が原因で自分の理解を修正できていないことがよくわかりました。また、様々な選択肢で不正解になっている問題は、そもそもその論点の理解ができていないことも分かりました。

アビタスはランダム出題も可能なWEBプラクティスと称するオンラインでのMC問題を提供しております。本番の環境に慣れるという意味で価値ある教材ですが、正解・不正解の記録を残せるものの、不正解の回数や選択肢を残せません。PCの前に座らなければ利用できませんので、通勤時間等のコマ切れの時間帯での学習もできません。WEBプラクティスを当初はよく利用しておりましたが、本番の雰囲気を掴んだ後は、メモ書きできる紙のMC問題を主に利用しておりました。MC問題を切り離さずに厚い本のまま利用されている方を見かけましたが、使い辛そうですし、切り離さなければ後に述べるフェーズ-3でランダムに並べ替えられません。ランダムの代わりに、10問飛びで解いていく方法も紹介されておりましたが、私は切り離してカードとして利用する方をお薦めします。

通学コースで学んでいる方はこのフェーズは大変厳しいものだと思います。アビタスではこのフェーズが9カ月続きますので、挫折してしまう方のほとんどはこのフェーズではないかと思います。

(2) フェーズ-2:論点学習

主たる教材:MC問題(シリアル)、シミュレーション問題
従たる教材:テキスト

このフェーズになりますと、全科目の一通りの学習が済んでおりますので、気分的には大分楽になりましたが、まだまだストイックな生活が続きます。私がこのフェーズに入ったのは、最初の2科目を受験した2010年7月の約2か月前の5月です。このフェーズでは受験を意識し、直近で予定している受験科目の復習ということになりますが、特にFARとAUDでは、フェーズ-1で学習したことをかなり忘れてしまっていることに気付きます。

フェーズ-1の学習のペースメーカーは講義DVDとテキストでしたが、フェーズ-2のペースメーカーはMC問題です。このフェーズではテキストを最初から読んでいくのではなく、MC問題を最初から解いていき、間違った問題のテキスト該当部分を精読するという方法を私は取りました。始めてすぐに気付きましたが、「○」のついている(要するにフェーズ-1で正解できた)MC問題が、「×」ということになってしまうことが少なくないのです。テキストを読んだ直後には記憶が残っていて正解できても、暫くすると忘れてしまいます。いかにして記憶を定着させるかが重要であることが分かりました。

講義視聴の際に、講師が教えてくれた暗記すべきポイントをテキストにメモ書きしておりましたので、テキスト精読の際はこの暗記作業も積極的に行ないました。「理解」が第一で「暗記」は二の次と考える方もいらっしゃいますが、「暗記」は「理解」を深化させ、「理解」は「暗記」を容易にする、学習における車の両輪のようなものだと私は思います。暗記作業は教材であるMC問題の類題が出題された際に、大きな力になります。

暗記作業においては、いろいろな工夫をいたしました。私にとって最も良い暗記方法は、思考順序に従って暗記項目を並び替えて行なう方法です。演繹的な思考順序でも、帰納的な思考順序でもかまいません。自分の思考順序はかなり安定しておりますので、その順番で暗記項目を記憶し、芋づる式に思い出していきます。この方法が取れない場合、人は4~5項目程度でしたら比較的容易に暗記できますので、暗記項目を何らかの切り口で4~5つのグループにし、さらにその中に4~5つの程度の項目を属させるように階層化して暗記しました。この方法も取り辛い場合は、暗記項目キーワードの頭文字を使って新たな英単語を作ったり、語呂合わせを考えて覚えるようなこともしました。また、なかなか覚えられないところについては、連想記憶術を一部使ったところがあります(「連想記憶術」についてはインターネット検索で調べてみてください)。暗記は日本語ではなく、英語(単語)で行なっております。

その日の学習の最後には、その日解いたMC問題の中で不正解であった問題をもう一度解いてみて、正解できることを確認していました。これは理解及び記憶の定着に大いに役立ったと感じます。この時はMC問題に「○」のマークは付けません。

一つの科目のMC問題が一通り終了した段階で、直近で不正解であったMC問題だけをまとめて解きました。1日の学習の最後に間違えた問題を再度解いたり、間違った問題をまとめて解くことにより、苦手な分野の学習により多くの時間をかけていたわけです。シミュレーション問題もこの段階で解き始めました。シミュレーション問題はMC問題より難易度が上がるというより、MC問題より確実な知識が求められるという印象でした。シミュレーション問題はあまり後回しにせず、早めに始めた方がテキストの内容のより深い理解に役立つと感じます。

リサーチ問題は実務的には重要と思いますが、正解に至るのに時間がかかる割には配点が低いようですので、あまり重視しませんでした(アビタスの指導も同様です)。該当するパラグラフを見つけられないことも少なくありませんので、「Advanced Search」の使い方だけ覚えておけばよいと思います。問題文に出てくるキーワードばかりでなく、自分の知識を総動員し、一緒に記述されているだろうキーワードを含めて検索すると、該当パラグラフにたどり着く可能性が高まります。検索結果として複数の該当箇所が表示されますが、たとえばAUDであれば、AU、AT、ARで始まる基準に正解が含まれていることが多いということも、探しだすヒントになります。

最初の受験1ヵ月前の時点でアビタスの模擬テスト(REG)を受けました。2010年のBECはMC問題のみ、他の3科目はMC問題・シミュレーション問題・リサーチ問題・WC問題(Written Communication)で構成されておりましたので、REGだけ模擬試験を受ければ十分と判断したものです。受けた模擬試験はこの1回だけでした。現時点で初めて受験するのであれば、2011年からの試験制度変更で、出題内容が変わりましたので、記述問題のあるBECと他の3科目のうちから1科目選択して、受けてみると思います。

グアムへの受験渡航3日前位からは、MC問題を次の3種類に分類し、限られた時間の中で、特に1を見直して全問解けるようにし、2は拾い読み程度に解いてみました。3は全く手を付けませんでした。

1: 直近で「×」「△」が付いたMC問題
2: 過去に複数回「×」「△」が付いたMC問題
3: 直近で「○」が連続しているMC問題

シミュレーション問題についても、正解できなかった問題には「×」を付けておきましたので、その部分を中心に復習し、最後にグアムのホテルで暗記項目を見直して試験に臨みました。

FAR、BEC、AUDの1回目の試験は、このフェーズの学習が終了した段階でグアムで受験しました。REGはこのフェーズのMC問題を4分の3ほどまで解いたところで時間切れとなり、シミュレーション問題には手つかずのままで、受験だけはしたという感じです。受験1週間前には、REGの学習が間に合わないことを悟り、REGの学習をやめて、暫く取り組んでいなかったBECの合格可能性を高めるため、BECの復習に専念しました。

このフェーズ途中もしくは終了時点では、勉強そのものがまだ不十分という感覚を持っておりましたし、受験料やグアム渡航費用を考えますとかなりの出費となりますので、4科目とも2010年中の合格目標というタイムリミットがなければ、この段階で受験することはなかったと思います。

(3) フェーズ-3:全体像と部分間の関係理解

主たる教材:テキスト、MC問題(ランダム)、シミュレーション問題
従たる教材:テキストの目次

フェーズ-2までの学習で、論点の理解は進みましたが、その科目の全体像および各部分間の関係の理解がまだ十分でないように感じておりました。そこで、MS-Wordのアウトライン機能を使ってテキストの表題(目次)を打ち込み、アウトライン表示のレベルを変えて、全体像の理解を深めました。私の使ったアビタスのテキストはVer.3であり、このテキストの表題は文章になっているものが多く、目次として使い辛かったので、自分でその節・章の内容から表題を考え、それで目次を作っております。表題の前後やレベルも自分の納得のいくように変更してしまいました。作成した目次はテキストについている目次よりもはるかに細かいものですが、アウトライン機能のおかげで、自由に折畳み・伸展できますので、全体像の理解が大変進みました。

アウトライン機能を使って表題を打ち込んだ後、MS-Wordの目次自動作成機能を使って、表示レベルを変えた数種類の目次を作成・印刷し、これを机の傍らにおいて参照しつつ、テキストを最初から精読していきました。ここでも暗記すべきところの暗記作業に励みました。フェーズ-3の学習をした科目は、第1回目の受験で不合格となったREGとAUDですが、不合格のスコアリリースには分野別のスコア情報が提供されますので、苦手分野により多くの時間を割くように、テキストの精読と暗記作業を進めました。特に苦手と考えられる部分は、講義DVDもしくはアビタスのオンライン講義を再視聴したところがあります。

MC問題はランダムに並べ替えて解いていき、間違った問題のテキスト該当部分を読み返すという作業を、上記の頭からのテキスト精読とは別に繰り返しました。ランダムに並べ替えたMC問題を解く際は、問題の表題部分を見ないようにして、その問題がテキストのどの部分に該当するのかを考えながら解きましたが、これは大変有意義で、その科目全体を絨毯爆撃しているような感覚になりました。テキストの目次作成とMC問題のランダム学習の際のテキスト該当部分を見極める作業は、全体像と各部分間の関係の理解にとても役立ったと感じております。このフェーズでも、その日の学習の最後には、その日解いたMC問題の中で不正解であった問題をもう一度解いてみて、正解できることを確認していました。ランダムに並べ替えたMC問題全部を解いた後、フェーズ-2で行なった「直近で間違えたMC問題をまとめて解くこと」を、このフェーズでも行ないました。

シミュレーション問題は、2011年から問題文が短くなったTBS問題(Task Based Simulation)に変更になりましたので、アビタスの新しいWebプラクティスを購入し、全ての問題を2回解いてみました。

ここまでの学習が終了した段階で、1回目に不合格となったREGとAUDの2回目の受験を致しました。受験渡航数日前からは「フェーズ-2の渡航3日前からの学習」と同様の学習を行ない、これに加え「3:直近で「○」が連続しているMC問題」も回答スピードを上げるために、裏の解説を読まずに(時間節約のため)1日で全て解いてみました。2010年中の合格目標というタイムリミットがなかったならば、この段階で4科目の第1回目の受験をしていただろうと思います。

● 各学習フェーズとスコアとの関係

私の受験結果(スコア)からわかることは、フェーズ-2の学習「途中(REGの1回目受験)」での合格は無理ですが、「完了」して試験に臨むと、合格のボーダーライン上に達するようです。
フェーズ-3を「完了」して受験すれば、少し余裕をもって合格できることも分かりました。

実際に確認したわけではないのですが、AUDのフェーズ-2完了後およびフェーズ-3完了後の受験直前のアビタスMC問題正答率は、ともに90%を超えて同程度だったのではないかと思います。フェーズ-2完了後とフェーズ-3完了後の違いは、科目全体の理解度の深さです。本試験ではアビタスの練習問題にはなかったような問題も出題されますが、そのような問題への対応力において、理解度の深さが顕在化するのだろうと感じます。

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